言葉は少なくてもパスは集まっている。「クボは、ピッチでは動きで雄弁になるんだ。我々は試合ごとに戦術を変え、多くのコマンド(指示)を出す。普通の外国人選手は苦しむが、クボは、本当は言葉を分かってるな、と思うほどに理解度が高い。位置取りが良く常にボールが出せる状態にいて、味方もパスを出したくなる。ペナルティーエリアにも深く潜り込める」。久保本人も「良い位置でパスを受けられて、来たチャンスを確実に決められている」と水が合ったようだ。

 7日オーステンデ戦の前には「彼に失神されられたんだ」と明かした。直接FKの練習で、久保のキックが壁に入ったバレット氏の側頭部を直撃。「気付いたら外で寝ていた。今も耳鳴りするほどの力強いシュートで、90キロを超える私が意識を失って倒れたのは生涯で初めてだ。今後はFKも蹴るだろう」と笑った。FKではなかったが、久保はシャルルロワ戦でPKを任され、2桁得点に到達。本来キッカーのミリセビッチから譲られたことが、信頼度の高さを物語っている。

 移籍金はクラブ史上最高額の350万ユーロ(約4億2000万円)も「決して安くはなかったが、今季の補強で間違いなくNO・1。我々に後悔はない」。W杯ロシア大会アジア最終予選イラク戦(6月13日)が控える日本代表でも「ヘントとは違って右サイドでプレーしているが、さらに力になるだろう」とベルギーでの進化に太鼓判を押した。