ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠(39)が、選手としてクラブと新たに24年シーズンまで契約したことを21日に発表した。

クラブとの契約は28年までで、引退のタイミングはクラブでなく長谷部の決断に一任されるという異例の契約だ。

長谷部は14年7月にニュルンベルクからEフランクフルトへ完全移籍。3バックの中央を担いチームの支柱としての地位を確立した。シーズン中だが、この日はクラブが長谷部への敬意として日本で会見を開催。朝方に到着した長谷部は「現役最後の年になると毎年言っていて、去年も『99%今年で引退だろう』と言っていたが、それが99.9%に上がったと思う」と冗談で会場を笑わせると「現役であることを楽しんでサッカーをやりたい。選手である以上、ピッチで重要な存在でありたい」と変わらない情熱を語った。

長谷部は22年2月、クラブと2027年までの契約を結んだ。引退後にも指導者としてEフランクフルトに残るという内容で、現役をいつまで続けるかは未定だった。選手として新たに1年契約を結んだことで、27年までの契約も延びた形。長谷部とともに会見に出席したマルクス・クルーシェ役員は、引退のタイミングを長谷部に一任することについて「前例はない。しっかりと判断してくれると信頼している。これからもこの“特権”を与えることはないと思う」と、まさに「レジェンド待遇」であることを語った。

現在39歳の長谷部は、今回の契約更新により40歳の節目も現役で迎えることが決まった。「競争する楽しさを感じているし、その楽しさがなくなったらすぐにスパイクを脱ぐと思う」と、現在の心境を語った。来季プレーするかどうか家族会議もしたと明かし、娘から「パパ、エスコートキッズをやりたいからサッカーやって」と言われたことも後押しになったという。

同じEフランクフルトでプレーする日本代表MF鎌田大地からは「まだやるんすか」といたずらっぽく言われた。自身も長く主将を務めた日本代表は昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会を終え、24日に国際親善試合キリンチャレンジ杯ウルグアイ戦(国立)、28日に同コロンビア戦(ヨドコウ)に臨む。「次のW杯ではぜひ16強を超えてほしい。これからの若い選手たちに期待します」と、笑顔でエールを送った。

長谷部はEフランクフルトで通算279試合に出場。今季はリーグ戦10試合、欧州チャンピオンズリーグ4試合、カップ戦2試合に出場している。