ストラスブールのU-22日本代表MF鈴木唯人(21)が、フランスリーグデビュー戦でいきなり決めた。

ホームのアジャクシオ戦に後半途中から加入後初出場。終了間際に、左足でうれしい初ゴールを挙げた。チームは3-1で勝利。J2に降格した清水から今年1月に期限付きで移籍した男が、新天地で白星に貢献した。モナコ南野拓実(28)はホームのロリアン戦で出番がなかった。

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ベンチ入りは10試合目。待っていた晴れ舞台で、鈴木がいきなり輝いた。後半30分からピッチに立ち、フランスリーグ初出場。2-1とリードした同44分にシソコからパスを受け、得意のドリブルを仕掛けた。右から中央へ切り込みながら相手選手4人の間をスルスルと抜け、左足でシュート。GKの右へダメ押しゴールをたたき込んだ。

自動降格圏17位に沈むチームにとって、貴重な勝ち点3となった3戦ぶりの白星。鈴木は自身のインスタグラムにサッカーボールの絵文字とともに「Finally,First Match&First Goal(ついに、最初の試合で最初のゴール)」と喜びの言葉を記した。

ケガでベンチを外れている40歳の同僚GK川島永嗣も、デビュー弾を喜んだ。日本食レストランへ連れて行くなど面倒を見ており、こちらもインスタグラムに「でっかい息子がようやくリーグアン(フランス1部)デビュー戦からの初得点。自分の事のようにうれしい日!おめでとう!! そしてまだまだここから」とつづった。

鈴木は今年1月に、清水から買い取りオプション(50万ユーロ)付きの期限付き移籍で加入。クラブの編成を担当するデジレ氏は、世代別代表でのプレーを視察し「彼は鎌田大地(Eフランクフルト)を思わせた」と獲得経緯を明かした。

フランス1部では今季これで伊東(Sランス)、南野、オナイウ(トゥールーズ)に続くゴールで、1シーズンに複数の日本人選手が得点するのは初めて。パリ五輪世代のエースは、目指すその舞台に向け、フランスで力を示していく。

◆鈴木唯人(すずき・ゆいと)2001年(平13)10月25日生まれ、神奈川県出身。20年に千葉・市船橋高から清水に加入。J1で1年目から30試合に出場し、J1通算83試合5得点。22年1月に日本代表初選出(試合は中止)。23年1月に清水から期限付き移籍でフランス1部ストラスブールに加入。同3月のU-22日本代表の欧州遠征では全2戦にスタメン出場。同ベルギー戦でゴールを決めた。175センチ、70キロ。利き足は右。