元日本代表FW大久保嘉人氏(43)が、スペインで、世界レベルの日本人ストライカー育成に乗り出すことが7日、分かった。近日中に発表される。昨季からスペイン北東部のカタルーニャ州4部に属するクラブのクラブダイレクター(取締役)として運営に携わる。
将来的には1部(ラ・リーガ)への昇格を目指すとともに日本でトライアウトを行う。合格者は9月からの26-27年シーズンに同クラブでプレーする機会を得る。J1通算最多の191ゴールを誇る大久保氏が、自身の経験を生かしながら将来的に世界で活躍できる点取り屋の育成を目指す。
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大久保氏が、新たな挑戦をスタートさせる。FW、ウイングや攻撃的MFなど得点に関わる位置の選手に対して、海外でプレーする機会を提供する育成プログラムを準備しているという。近日中に発表される。日本とスペインを股にかける、壮大な計画だ。
大久保氏は25年4月、スペインのバルセロナに家族で移住した。そのバルセロナがあるカタルーニャ州4部に属するクラブのクラブダイレクターとして、昨シーズンから運営に携わるようになった。スペイン1部から数えて10部相当の同クラブのチームづくりに関わり、将来的にはバルセロナやRマドリードが所属する1部への昇格を目指す。それと同時に、もうひとつの大きな目的がある。
点取り屋の育成だ。日本で、20歳前後の選手を対象として「ストライカー」のトライアウトを行う。大久保氏が直接、審査して合格した選手数人を、26-27年シーズンが始まる9月から、同クラブでプレーさせる予定だ。スペインという環境でシーズンを通してプレーしていくことで、ストライカーとしての能力を開花させる。
大久保氏にとってスペインは縁の深い国だ。04年にC大阪から初の海外移籍でマジョルカに入団した。当時22歳で「銀河系軍団」といわれたRマドリードやバルセロナと戦い、また厳しい残留争いで生き残った。21年の引退会見では「マジョルカに行き、デビュー戦(05年1月9日)のアシストとゴールは忘れられない」と語っている。その経験が土台となって2度のW杯出場、J1歴代最多の191ゴールを成し遂げている。
今回のプロジェクトは、まだ下部カテゴリーからのスタートとなるが、日本人ストライカーが海外で挑戦する機会をつくる取り組みでもある。大久保氏は、自身の経験を生かしながら、将来的に世界で活躍できるストライカーが生まれる環境づくりを目指していく。
<主な日本のストライカー>
・釜本邦茂 世界のカマモト。68年メキシコ五輪は7得点で得点王を獲得して銅メダルに貢献した。国際Aマッチ通算76試合75得点は歴代1位。ヤンマーでは日本リーグ得点王7度、通算251試合202得点。
・三浦知良 キングカズ。15歳でブラジルに渡り、86年サントスとプロ契約。93年Jリーグ初代MVP。国際Aマッチ通算89試合55得点、J1通算326試合139得点(7日現在)。カズダンスは日本の宝。
・中山雅史 愛称はゴン。Jリーグで98年、00年に得点王。98年W杯フランス大会のジャマイカ戦で、W杯日本人初得点。98年4月にギネス記録の4試合連続ハットトリックを達成し、J1シーズン最多の36ゴールをマーク。J1通算355試合157得点。
・大迫勇也 鹿児島城西3時に、高校選手権歴代最多の10得点を記録。相手DFが「半端ないって」と嘆いたのは語り草。23年にJ1得点王。J1通算277試合92得点(7日現在)。
・大久保嘉人 04年アテネ五輪で2ゴールをマーク。W杯は10年、14年と2大会連続出場。13年から川崎Fで3年連続得点王に輝いた。J1通算474試合で歴代最多の191得点。
◆大久保嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日、福岡・苅田町生まれ。国見高から01年C大阪入り。04年マジョルカ、07年C大阪から神戸へ。08年ウォルフスブルクで長谷部とブンデスリーガ優勝を経験。09年以降は神戸、川崎F、東京、川崎F、磐田、J2東京Vへ。21年にC大阪に復帰しシーズン終了後に現役引退。04年アテネ五輪代表。日本代表として10、14年W杯出場。国際Aマッチ通算60試合6得点。J1通算191得点は歴代最多。家族は夫人と4男。170センチ、73キロ。

