<バレーボール・全日本高校選手権:盛岡女2-0大和南>◇6日◇女子2回戦◇さいたまスーパーアリーナ

 盛岡女(岩手)が強豪の大和南(神奈川)をストレートで下し、3年前の選抜大会初戦で敗れた雪辱を果たした。

 盛岡女が勢いに乗った。出だしから常にリード。終盤こそ同点に追いつかれたが、1度もビハインドにならない快勝で3回戦進出を決めた。伊藤崇博監督(39)は「終始サーブで相手を崩し、攻めの気持ちで押した」と勝因を挙げた。

 10年3月、全国選抜大会初戦で盛岡女は大和南に0-2で敗れていた。当時中学3年で盛岡女入りが決まっていた現3年生は応援、試合を目の当たりにした。レフト金野夏子(3年)は「先輩たちのリベンジをするという強い気持ちで向かった」。相手は昨年の高校総体王者・川崎橘を神奈川県代表決定戦で破った強豪だが、この日が初戦。盛岡女は1回戦を経験し、会場の雰囲気に慣れたことも有利に働いた。

 昨年は県勢初のベスト8で、震災の被災県岩手に元気を与えた。被害の大きかった沿岸部出身の部員も多い。県代表決定戦決勝を戦ったライバル高田は、津波で大きな被害を受けた。大船渡市出身の金野は「高田の人たちに『頑張って』と激励された。岩手県のため最後まで戦い抜きたい」と力を込めた。

 2年連続8強まであと1勝だが、それで満足するつもりはない。次の相手誠英(山口)は全国高校総体優勝2回、全国選抜大会優勝1回の名門。伊藤監督は「大きなヤマ。相手以上に攻めの気持ちで向かっていく」と誓った。【北村宏平】