世界ランキング12位の日本は、同1位絶対王者ブラジルにたたきのめされた17-25、15-25、22-25のセットカウント0-3。第3セットのみ、終盤まで競り合ったが、第1、2セットはブラジルの高くて強いスパイクに食らいつけず、逆に2メートル1センチのウイングスパイカー大竹壱青(中大)のスパイクもことごとくブロックのえじきになった。

 試合後の中垣内祐一監督(49)も、やや疲れた表情。「ブラジルは世界1位、苦戦するのが当然と言えば当然ですが、見せ場をつくれなかったのは残念。3セット目に、やっと腹からの声が出て、自分たちがしたいことを意思表示したが、時既に遅しでした」。

 ブラジルのセッターブルーノ、ミドルブロッカーのルーカスに日本の攻撃を封じられた。「ブルーノとルーカスに、藤井、李、山内がしたかったことを存分にやられてしまった」と振り返り、力の差をまざまざと見せつけられてことを具体的に触れた。

 今後は2メートル1センチの小野寺大志(東海大)をミドルブロッカーからウイングスパイカーにコンバートしたように、高さのあるサイドアタッカーの育成に力を注いでいく考えだ。「今日も小野寺を入れたことで、ブラジルの意識はライトからレフトへシフトしていた。高さのある小野寺を投入した意味はあった。20年東京へ向けて高さのある選手を育て、起用していきたい」。

 今季は2018年の世界選手権への出場権獲得を最大のターゲットにしており、その目標は達成していた。それだけに、最後に強豪国と競ったグラチャンで、勝ち星どころか勝ち点すらも奪えなかったショックは大きい。「グラチャンで勝っていたなら、大きな点数を上げられたが、フラストレーションがたまる大会となった。厳しい。20年へのチャレンジは厳しいことは分かっていたこと。挑戦し続けるしかない。アンテナを広く張りながら活動していきたい」と言った。

 来年の世界選手権について、今年就任当初からベスト8を目標にしてきた。その目標に変更はないかと質問されると、間髪いれずに「下方修正した方がいいということですか。あまりにも弱いので」と、笑いながらコメントして会場を和ませた。「(ベスト8が)大きなチャレンジに変わりないのはご存じのよう。それが妥当なラインと言われたらいいんですが」と、言葉を添えた。

 5戦全敗で、奪ったセットはイタリア戦の1と、イラン戦の1のみ。勝ち点もなく、世界のトップに圧倒された。高くてパワーのある強国と真剣勝負を続けながら、少しでもレベルを上げていく努力を続けることでしか、展望は開けないことを物語る大会となった。