新潟アルビレックスBBが開幕カード2連勝の好スタートを切った。島根スサノオマジックに87-55で圧勝した。

 今季富山から移籍のシューティングガード(SG)城宝匡史(35)が両チーム最多の20得点をマークし、この試合のMVPを獲得。得意の3点シュートを4本決めるなど、本領を発揮した。新潟の開幕2連勝は旧bjリーグ時代の15年以来。失点は55と、昨季富山戦の57失点(79-57で勝利)を更新してチーム最少をマークするなど、隙を与えない内容だった。

 試合後、MVPに選出されたSG城宝は、笑みを浮かべながらマイクを握って言った。「こんなにたくさんのお客さんの中でプレーできて幸せです」。その言葉で3680人の観衆の心をつかみ、大拍手を浴びた。

 大歓声に押されるように躍動した。第1クオーター(Q)、自らディフェンスリバウンドを獲得し、そのままドリブルで持ち込む。相手の守備をかいくぐりながら強引にねじ込んだ。自身のこの試合初得点で7-2とすると、火がついた。

 「得点は毎Q、チームで20点くらい取れればいい」。その言葉を体現するように、第1Qは3点シュートとフリースロー2本を追加して自身7得点。出だしで24-5と大量リードを奪う流れをつくった。

 終わってみれば全Qで3点シュートを決めるなど、合計20得点。リバウンドも、オフェンスリバウンド3本を含む5本獲得。チームではセンター(C)ダバンテ・ガードナー(26)の8本に次ぐ数字だ。

 庄司和広監督(43)は「攻守にいいプレーをしていた」と活躍を評価した。前日9月30日の開幕戦、城宝は19分51秒間の出場で8得点。第2Qまでにターンオーバーを2個犯すなど、ミスが重なった。

 それを修正した。ターンオーバーの数は前日と同じだが、流れは切る内容のものはしなかった。そして得点で貢献。「チームとしてのプレーの中で得点できた」。全体練習後、庄司監督と1対1で実戦に即したシチュエーションでシュート練習を重ねてきた。その成果を開幕カードで見せた。

 昨季まで6季、富山でプレー。当時は敵だった新潟のファンからは、何度もブーイングを浴びた。それが今季は大声援となって後押しする。「すごく声が聞こえる。いいですね」。その感触を味わい続けることがチームの快進撃につながる。【斎藤慎一郎】