2度の4大大会優勝を誇る世界10位の大坂なおみ(22=日清食品)が、復帰初戦を215日ぶりの勝利で飾った。同26位のムホバ(チェコ)に6-7、6-4、6-2で逆転勝ちし、1月22日の全豪2回戦で、鄭賽賽(中国)に勝って以来の勝利となった。

相手は、昨年のウィンブルドンで8強に入った伸び盛りだ。女子には珍しく、ネットもうまく、ストロークも安定しており、ドロップショットの小技もある。以前の大坂なら、最も苦手なタイプだが、見事に逆転につなげた。

接戦となったが、最初から最後まで冷静だった。過去、感情の起伏を見せてきた大坂だが、この日は自分のミスで、1度も声を上げなかった。第1セットを落としても、心は乱れることなく、しっかりと逆転につなげた。

試合内容も非常に安定した。大坂特有のリスキーなショットは影を潜め、パワーを残した安定したショットで、相手に打ち勝った。以前のような当たり出したら止まらない怖さはないが、この日は、崩れない新たな強さを見せた。

女子は8月3日のイタリア・パレルモの大会でツアーは再開したが、今大会がトップ選手がそろう本格的な幕開けだ。しかし、第1、2シードが初戦で敗退。コロナ禍の大会は波乱が続いている。その中で大坂はしっかりと勝ち上がった。3回戦では、同25位のヤストレムスカ(ウクライナ)-同61位のペラ(米国)の勝者と対戦する。