全日本アーチェリー連盟前理事長で宮崎利帳顧問が8日、日刊スポーツの取材に応じ、会長を務めていた自民党の安倍晋三元首相が銃撃で死去したことを受け追悼の言葉を寄せた。成蹊大学時代にアーチェリー部に入っていた縁もあり同連盟会長を務めた安倍氏は、21年夏に行われた東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開催に貢献した。スポーツ界全体にもたらした多大な恩恵に感謝し、哀悼の意を示した。

安倍氏は05年に連盟会長職に就任したが、国務大臣は公益法人の役職を兼務できないため首相在任中は休職していた。その後首相退任に伴い、20年10月に約8年ぶりの復帰。当時理事長を務めていた宮崎氏は「成蹊大でアーチェリー部に入っていた安倍さんは、ずっとアーチェリーに対して強い思いを持っていた。オリンピックの招致や世界連盟の方が日本に来たときには、最前線でサポートしてくれた」と振り返る。

新型コロナウイルスの影響で延期となった東京五輪では、個人男子(古川高晴)と団体男子で銅メダルを獲得。メダル獲得直後に安倍氏に電話した際の様子が忘れられない。宮崎顧問は「安倍さんが声を弾ませ『良かった、本当に良かった』と言っていました」。

選挙期間中にもたらされた、まさかの訃報に驚きを隠せない。「アーチェリーの普及・発展のために強い政治力でバックアップしてくれた」と感謝を惜しまなかった。【平山連】