1月の4大陸選手権を制した三原舞依(22=シスメックス)が69・16点で首位発進した。

こらえながら降りた3回転フリップは出来栄え点(GOE)で減点となったが、得点源となる演技後半のルッツ-トーループの連続3回転などを成功させた。3つのスピン、ステップは全て最高のレベル4とし「(観客席を)見た時にバナーをすごく振ってくださっていて、すっごいうれしい気持ちでプログラムを滑りきることができました。背中を押してくださってうれしいです」と演技後は両手でガッツポーズを見せた。

今季のSP「戦場のメリークリスマス」、フリー「恋は魔術師」は、ともにデビッド・ウィルソンさんの振り付け。平昌五輪シーズンだった17~18年のフリー「ガブリエルのオーボエ」などを手掛け、三原のことをよく知る振付師だ。三原はSPについて「最後まで滑り終えたら涙ぐむような感じ」と表現し、フリーは「最後、終わってから倒れちゃうぐらい、全力を出し切りたい」。全身で異なる世界観を表現する。

19~20年シーズンは体調不良で1年間、競技会を欠場。懸命の努力で昨季の4大陸選手権を制し、現在は体調面でも上向きという。

「アイスショーから帰ってきて、練習に戻る時も(かつては)疲労とかで苦しんでいたところもあった。今シーズンはどんどん元気になっていって、たくさん滑った後でも、すぐに元気になることができたり『ここをほぐして、これを食べて…』って、いろいろなことを考えられるようになってきたかなと思います」

新フリーの競技会お披露目は14日。少しずつ、大切なプログラムを自らの色に染めていく。【松本航】