昨年4月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した壷井達也(20=神戸大)が150・10点をマークし、3位に入った。

引き締まった表情でリンクイン。2本目で4回転サルコー-2回転トーループの連続ジャンプを成功させた。ただ、1本目の4回転サルコーと後半のトリプルアクセル(3回転半)で転倒があり、フィニッシュ後は膝に両手をついた。「アクセルがなかなかハマらなくて、自分でもビックリした」と悔しそうに振り返った。

さかのぼること1週間半前。全日本選手権では9位となった。「休みを取る気にもなれなかった」と思うほどの悔しさが募り、年末年始も練習を継続。リンクを使えない日は、陸上でのトレーニングで補った。

状態が上向く中で迎えたインカレの舞台。ここでも鍛錬の成果を十分に発揮できなかった。

「練習でできているからこそ、守りに入ってるのか、攻められないのか…。『練習通りに』と思うからこそ、縮こまっている自分がいるというのが、正直なところです」。

どうすれば本番でも結果が出せるのか-。他のスケーターの姿と、自分の現在地を重ね合わせる。

「女子だと坂本選手や三原選手は、連戦の中でも本番で集中して、いい演技をコンスタントにされている」

男子では山本草太(22=中京大)の名が挙がった。

「(21年の)全日本では悔しかったと思うんですが、このインカレからマックスの演技を全力で取り組んでいたと肌で感じました」

もう悔しい思いをしないために。決意は言葉にも表れた。

「今年1年は、この1月から年末の全日本が始まっているという気持ちを持って頑張りたい」

迷いながらも前へ。年の瀬へ向けた勝負は、すでに始まっている。【藤塚大輔】