2月の4大陸選手権(米国)代表の佐藤駿(埼玉・明大)が逆転優勝を飾った。ショートプログラム(SP)4位から、フリーは175・20点の1位で、合計253・12点まで積み上げた。

冒頭の大技が鍵を握っていた。最大の武器の4回転ルッツは、練習で不調だった。SPでは鑑みて、予定を変更してフリップを跳んでいた。ただ、フリーでは投入を決めた。

「ここでルッツをなくして、トーループをやるのもいいと思うんですけど、それだと、自分のためになんないかなというに感じたので。けがとかも怖いですけど。でもルッツはやり続けないと、やっぱり自分のものにならないかな」。

軌道に乗って滑っていくと、目の前には都道府県別で争う国体ならではの光景が。同じ埼玉代表の大島光翔を筆頭に、仲間が声援を送っていた。

「試合の前にみんなから光翔からも『集中して』と言われて、それでしっかりと集中できて、緊張もほぐれて、みんなの応援のおかげでルッツ跳ぶことできたな」。

不振だった試合前からは想像できないクリーンな着氷で流れをつかんだ。続く4回転-3回転のトーループ、単発の4回転トーループなども決めていく。最後には中盤で2回転半になったミスをリカバリーする3回転半も決めた。演技を終えると、右拳を頭上から大きく振り下ろした。

今季はフリーでの勝負強さが際立つ。だからこそ、4大陸選手権ではSPをまとめたい。

「やはり僕の課題としてはショート。練習とかもすごく考えながらやってるんですけど、うまくいってないので、4大陸こそはノーミスの演技ができるように頑張りたいと思います」。

目標を見定め、戦いに備える。