【重慶(中国)10日=松本航】昨季の世界選手権に初出場した渡辺倫果(21=TOKIOインカラミ/法大)が、2位発進で復調を印象づけた。わずかな回転不足がありながらも、ジャンプ3本全てを着氷させて65.09点。70.65点の首位ヘンドリックス(ベルギー)と5.56点差につけた。GP2戦目の吉田陽菜(木下アカデミー)は64.65点で3位発進。11日のフリーで、さらなる浮上を目指す。

   ◇   ◇   ◇

決めポーズをほどいた渡辺が、ゆっくりと前に倒れた。四つんばいで氷をたたき「スケートが楽しいと思えた。その気持ちが表れた」と己をねぎらった。後半の連続3回転はループが乱れかけながら、トーループをつけきった。4分の1回転不足がついたが「まとまった演技ができた。(時期が)遅いですけれどね」と正直な自己評価を下した。

昨季は世界へ羽ばたいた。GPスケートカナダで初出場初優勝。シリーズ2戦上位6人のファイナルも経験し、世界選手権の舞台にも立った。だが、今季は体調を崩した第2戦スケートカナダ6位。体調を崩して器官の違和感に悩まれ、帰国後も睡眠時間は11時間に及んだ。その中でもジャンプの崩れを最小限に抑え、乗り継ぎ以外で初めての中国入り。空港に着くと「子どもみたいにワクワクした」とコンビニで欲しい物を買いあさり、吹っ切れた。

2季連続ファイナル進出は厳しい状況だが、シーズンは続く。今季のSP「アバター・ウェイ・オブ・ウオーター」に合わせて、青を基調としたグラデーションの新衣装に替えた。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を見据えて「今シーズンまでは良くも悪くもたくさんの経験ができる。また死ぬ気でやるだけです」と12月の全日本選手権(長野)へ弾みをつけた。

SP上位3人の記者会見。11日のフリーへ「今日はスケートが楽しいと思えた。明日もスケートを楽しみながら、ノーミスの演技を目指して頑張っていきたいです」と誓った。シニア4季目の21歳は最も大切にしたい気持ちを思い出した。