<卓球:世界選手権>◇5日目◇2日◇男子シングルス4回戦◇横浜アリーナ

 青森山田高3年の松平健太(18)が、北京五輪金メダリスト馬琳(中国)と熱戦を繰り広げ、3-4で惜敗した。

 世界ランク101位の松平健が世紀の番狂わせに、あと1歩のところまで迫った。北京五輪金メダリスト馬琳との最終ゲームは一時、4-1とリードした。だが、それまで無欲だった高校3年生は初めて「勝ちを意識した」。強気だった攻めが慎重になって、中途半端な返球を痛打され、7-6から4連続失点。マッチポイントとなってから2点を返したが、最後はコースが甘くなったサーブをリターンで決められた。

 石川県七尾市出身。卓球教室を営む両親の指導で小学生から頭角を現した。中学1年の秋に青森山田中に転入し、日本卓球協会が進める英才教育のプログラムの下、2年前からドイツリーグに武者修行に出た。変則回転のサーブに手を焼いて、最後は顔を真っ赤にして大粒の汗を流した馬琳は「負けると思った。最後は気持ちの戦い。近い将来、彼は中国にとって強敵となるだろう」と絶賛した。

 現在167センチの身長はまだ伸びているという。体に負荷をかけないため、ウエートトレーニングを避けていたが、日本男子代表の宮崎監督は「これから体力がつけば(12年の)ロンドン五輪では優勝候補と言われる位置にいると思う」と話す。松平健は「将来は世界選手権や五輪で金メダル」と聞かれ「あと5年以内に絶対になれます」と屈託なく話し、力強く胸を張った。