東北地方太平洋沖地震の影響により、12日にQVCマリンで行われる予定だったロッテ-西武のオープン戦の中止が早々と決まった。ロッテ石川球団本部長は「緊急事態。西武も姫路で試合をしているし、東京まで移動できるかどうか分からない。まずは家族などの安否確認が大事ですからね」と説明した。12日の試合は「QVCマリンフィールド」としてのオープニングゲームで、昨季限りで引退した堀幸一氏の引退試合も予定されていたが、地震の規模や被害状況を考慮して中止を即決した。

 チームは明石での楽天戦の打ち切り後、神戸市内の宿舎へ移動した。試合後のベンチ裏では携帯電話で家族に連絡を取る選手、コーチらの姿が見られた。久々に投打がかみ合った試合となったが、西村監督も「いい試合だったが、試合よりもそちら(地震)が心配です」と厳しい表情でバスへ乗り込んだ。当初はこの日の試合後に帰京予定だったが「選手には移動しないように通達した。神戸で待機する」(同本部長)とし、12日に帰京する。なお、翌日の試合に備えて早めに帰京した薮田、マーフィー、ペン、矢島通訳の4人は移動中に地震に遭い、名古屋で宿泊することになった。

 本拠地のQVCマリンは千葉市の海岸線に位置し被害が心配されたが、球場自体に目立った被害は見られないもようだ。ただ、球場横の駐車場で液状化現象が起こっており、地震発生時に千葉市内の球団事務所にいた職員は「事務所は荷物が落ちた程度だったが、地震の後からは停電している。埋め立て地で地盤が弱い場所なので、隣の駐車場から水があふれている。球場の周囲は救急車が走っているし、空にはヘリも飛んでいる」と状況を説明した。