「アレ」の使者はアイツやんか。オリックス岡田彰布監督(53)が交流戦3試合で、とっておきの切り札を用意していた。27日、大阪行きの新幹線を待つJR東京駅で、チームもファンも待っていたネタを提供した。

 「金子は明日投げることができたら中6日で3回いけるからな。雨が降れば考え直すけどな」

 右肘手術から復活をかけるエース金子千尋投手(27)は今日28日の2軍交流戦横浜戦(横須賀)に先発。指揮官が陽動作戦も好きなことを度外視すれば、2軍でのラスト登板から1週間後の6月4日広島戦(マツダ)がXデーとなる。

 リーグ戦で最下位ながら交流戦は4位と好位につける。宮内オーナーが2年連続で験担ぎで「アレ」と呼んでいる優勝に向け、昨年リーグ最多17勝の金子千が戻ってくるとなれば頼もしい。その後も中6日で11日巨人戦(京セラドーム大阪)と18日中日戦(ナゴヤドーム)に回るスケジュールが浮かび上がる。対戦相手へのプレッシャーも大きく、ラストスパート要員としてはぴったりだ。

 その一方で木佐貫を移籍2年目で初めて2軍に落とした。26日ヤクルト戦で「逃げての四球ばっかり」と2回3失点で降板させた。1回1/3で8失点した14日の日本ハム戦からの変化が見えなかった。「精神的な部分は自分で乗り越えな」と今回は無期限で再調整させる。開幕投手を務めたローテーションの柱にも厳しい姿勢を示し、チームを再度引き締めにかかった。岡田監督も「アレ」へ本気モードだ。【押谷謙爾】