ドラフト1位の阪神榎田大樹投手(24=東京ガス)が、12日の西武戦(西武ドーム)でプロ初先発する可能性が7日、浮上した。当初は久保が登板予定だったが、5日オリックス戦(甲子園)の登板後に、左腹斜筋挫傷で出場選手登録を抹消。岩田も現在1軍登録を抹消中という緊急事態に陥り、「救世主」としてルーキー左腕の名が挙がった。

 代役探しが急務となる中、チーム首脳がルーキー先発の可能性について言及した。「まずはファームからの推薦。それが、ないならリリーフからというのもあるかもしれない」。ウエスタン・リーグで防御率トップの1・54を誇る鄭凱文や、昨年まで3年連続で開幕投手を務めた安藤が有力候補となるが、切り札として榎田が控える。

 東京ガス時代はエースとして活躍し、阪神入団後もオープン戦まで先発としても起用された。開幕以降は、セットアッパーとしての立場を確立。18試合に登板し、防御率は0・81と安定感は抜群で、早くもリーグの新人ホールド記録を更新した。5月24日の西武戦(甲子園)では、4番手として2イニングを投げプロ初勝利も手にした。西武相手とあれば、いいイメージも頭の中にある。抜てきされた先発マウンドで好投すれば、交流戦以降のローテ入りの可能性も出てくる。

 この日の全体練習はリリーフ陣は休養で、榎田は散髪でリフレッシュし千葉へ乗り込んだ。入団以来「任せられた場所で、一生懸命投げるだけです」と話してきた。指名されれば、全力で抑えにいく。