西武の抑え候補に、下手投げルーキー牧田和久投手(26=日本通運)が急浮上した。昨季パ・リーグのセーブタイトルを獲得したブライアン・シコースキー投手(36)が故障離脱し、代役の岡本篤志投手(30)が不調で2軍落ち。抑えが課題の渡辺監督は「交流戦が終わったら配置転換する可能性もある。編成を考えないといけない」と先発投手の配置転換を含めた大改革を示唆していた。

 先発から抑えへの転向があるなら、最有力に挙がるのが牧田だ。これまで、先発ではチーム最多10試合に登板。2勝4敗と黒星先行も防御率2・85。開幕からただ1人ローテーションを守り、変則サブマリンの実力を発揮している。抑え適性は未知数だが、立ち上がりは得意。独特の軌道は、1巡目の打者には特に打ちづらい。連投も苦にしないタイプで、ピンチでも度胸が据わっており、成功する可能性を秘めた存在だ。

 他の先発陣は故障など不安を抱え、スムーズに抑え転向とはいかない。外国人補強は調査を継続中で、現時点では見通しが立っていない。借金4のチームには、大幅なてこ入れが必要な時期。牧田は好投しながら援護に恵まれない不運が続いており、流れを変えるタイミングにもなる。渡辺監督は安定した先発を1枚欠くリスクを考え、慎重に検討。リーグ再開に向け、今日21日からの練習で協議して決める。サブマリンで浮上、なるか。【柴田猛夫】