広島は今日28日から阪神と2連戦(富山、福井)を戦う。28日は今季3勝のルーキー福井優也投手(23)、29日は来日初めて中4日登板となるブライアン・バリントン投手(30)をたてる。5位に甘んじているが、クライマックスシリーズ進出圏の3位巨人に0・5ゲーム差、4位阪神にゲーム差なし。この日、野村謙二郎監督(44)が前日26日中日戦での審判への暴力行為により2試合の出場停止処分を科され、高信二守備走塁コーチ(44)の代理指揮で連勝を狙う。

 Aクラス浮上に向け、北陸での戦いぶりがカギを握る。CS圏内を巡って争うライバル阪神との直接対決。先陣を切るのは、阪神戦初登板の福井だ。マツダスタジアムでダッシュなどで調整し、初見参の富山での一戦に思いをはせた。

 福井

 先頭打者を出さないこと、無駄な四球をなくすことが大事。打者がどうこうではなく、自分の投球をしたい。できれば無四球でね。負けるときには(四球が)絡んでいますから。

 攻めの姿勢を貫くが、その一方で細かい制球にも心を配る。27個の与四球数はリーグワースト。相手にスキを見せないためにも球の上ずり、抜け球の防止などがテーマになる。今季、過去9戦の登板で無四球の試合はない。ここまで3勝3敗。前日26日に巨人沢村が新人最多の4勝目を挙げており「新人王レース」で離されないためにも、発奮材料になる。阪神とは開幕前の3月24日に合同練習で対戦。5回無失点に抑えており、プラス材料は多い。

 5位に甘んじるチームにとって、今後を占う大切な2連戦になる。4位阪神と借金は同じ6個。勝率でわずか4厘差で後を追う状況だ。さらに、3位巨人とも0・5ゲーム差。交流戦で落とした順位を引き戻すため、北陸では勝負手も繰り出す。29日(福井)は6勝を挙げチーム勝ち頭のバリントンを投入。今季初の中4日で虎退治に挑む。

 阪神とは開幕3戦目の4月14日に甲子園で対決し、8回無失点で来日初勝利をマークしており、期待は膨らむ一方だ。「自分が投げる試合は、しっかり投げるだけ。ゲームプランに沿って、しっかり投げるだけだよ」と話してきた。Aクラス復帰、さらに優勝争いに加わるためにも、入団1年目の右腕2人が足掛かりを築く。【酒井俊作】