阪神鳥谷敬内野手(30)が今オフ、国内FA権を行使しての他球団移籍も視野に入れていることが20日、分かった。9月3日に国内FA権を初取得。シーズン終了後に権利行使の有無を熟考する考えで、現時点では<1>FA権行使せずの残留<2>行使しての残留<3>行使しての移籍と、すべての可能性が残っているもようだ。虎のスター遊撃手の動向に注目が集まる。

 間違いなくFA市場の目玉の1人。鳥谷が今オフ、国内FA権の行使も視野に入れていることが分かった。横浜戦では3点を追う5回2死一、三塁から左前適時打。頼もしい虎のリーダーはまずシーズン残り4試合を全力で戦い抜き、オフ突入後に権利行使の有無を熟考する。

 鳥谷

 そんなこと(FA権)を考えて試合を戦えない。まだシーズン中なので、全然何も考えていない。すべての可能性がある。

 プロ8年目の今季、9月3日に国内FA権の取得条件を初めて満たした。以降も「まだ何も考えられない」と話し、目の前の試合に専念する姿勢を貫いてきた。今後はシーズン終了後、球団との残留交渉を重ねながら、じっくり方向性を決めていくつもりだ。

 鳥谷自身はまだ、すべての扉を開けたままだ。FA権を行使せずの残留、行使しての残留に加え、権利を行使して他球団に移籍する可能性も消してはいない。順調なら来季中に海外FA権を取得できることも判断材料の1つになりそうだ。

 昨季は自身初の打率3割をクリアし、遊撃手史上最多シーズン104打点も記録した。今季も2年連続の打率3割を視界にとらえ、出塁率3割9分5厘、7三塁打はリーグトップ。自己最多&チームトップの15盗塁を決めている。走攻守の3拍子がそろった男には、すでに複数球団が関心を示しているとの情報もある。仮にFA宣言すれば争奪戦は必至。阪神側は条件面を含め、全力で引き留めるのは確実だ。

 もちろん、虎への強い愛着はある。03年ドラフト自由枠で早大から入団。生え抜きでトッププレーヤーに育て上げてくれた恩義も感じている。FA権取得の直前には球団から最初の残留交渉を受け「そういうふうに(引き留めたいと)思ってもらえるのは幸せなことです」と話している。阪神残留も念頭に置きながら、真っさらな頭、フラットな状況で、自らの進路を決断する。