Jリーグ将来構想委員会の鬼武健二委員長(69)は9日、日本協会の常務理事会に同委員会の「シーズン秋春制移行はしない」という結論を報告した。鬼武委員長は「スタジアムの問題などで、冬場の試合は難しい。クラブ経営上も、観客動員が見込める7、8月に試合をしないのは大きな打撃となる」と説明した。

 秋春制移行は、昨年10月に日本協会の犬飼会長が協会の専門委員会である将来構想委員会に検討するよう指示。欧州の主要リーグに合わせて猛暑の夏をオフとすることで、選手のパフォーマンスを上げることなどが目的だった。同委員会では討議を重ねてきたが、降雪地域のクラブなどから反対意見が続出。観客数減少も心配され、Jリーグチェアマンでもある鬼武委員長は慎重に対応してきた。

 鬼武委員長によれば、犬飼会長からは「詳細については協会も検討する」という返事があったというが、同委員会の出した結論が変わる可能性は低い。「ハード面など条件が整えば再討議する可能性はあるが、それが5年後か10年後かは分からない」と将来的な移行は否定しなかったが、昨年末から続いたシーズン移行問題はひとまず収束する。