スピードスケートの98年長野五輪男子500メートル金メダルの清水宏保(36=コジマ)が5日、故郷の北海道帯広市内のホテルで引退会見を行った。時折、目に涙をためながら約1時間「本当に幸せなスケート人生を送れた」などと語った。

 母津江子さんも見守った会見で清水は感極まった。バンクーバー五輪でメダルを獲得した長島、加藤は清水の背中を見て育った世代だけに「あの世代は…。僕のサインを持っている世代なので…。僕がやってきたスケートは間違ってはいなかったんだなと思った」。幼稚園から約33年のスケート人生を振り返った。

 身長162センチ、自慢の「ロケットスタート」を武器に一時代を築いた。長野五輪の500メートル金、1000メートル銅に続き、02年ソルトレークシティー五輪では500メートル銀。500メートルの世界記録を4度樹立し、W杯500メートルで世界歴代3位の34勝。辛かった時期について「長野五輪の2年半前に内定をいただき、絶対金メダルの重圧は苦しかった」と打ち明けた。

 昨年末の五輪選考会で5度目の五輪出場を逃した時点で現役引退を決断。コジマとの契約は3月末まで。今後について「スケートの楽しさを伝えたい。五輪を目指す人にアドバイスできる立場になれれば」と話し、夢についてこう語った。「父(均さん=享年56)が土建屋で僕も起業したいという思いはあります。それをベースに選手を支える環境であればいいなと思う」。小さな巨人が新たな道を歩きだす。【村上秀明】