巨人対ヤクルト 1回表ヤクルト1死、先制の右越えソロ本塁打を放つ青木(撮影・鈴木みどり)
巨人対ヤクルト 1回表ヤクルト1死、先制の右越えソロ本塁打を放つ青木(撮影・鈴木みどり)

大リーグでも活躍したベテラン青木がさすがというプレーを随所にみせた。第1打席の初球本塁打は「思い切りよく、早いカウントから甘い球を積極的に打ちにいく」という良さが最大限にでたもの。あの一打で巨人先発の畠に「ヤクルト打線に甘いところに投げると打たれる」という恐怖心を植え付け、その後の連続四球につなげた。

3回も青木から始まった。自打球が当たり、相手が「足が痛いんじゃないのか?」と思っているところでセーフティーバントで出塁。普通ならバントがあるとは思わない場面で、しっかり三塁手の動きが見えていたのだろう。また「もう1点欲しい」という5回には簡単に左犠飛を打つ。頭を使ってシチュエーションに応じた打撃ができるのも、青木が重宝される理由だ。

坂口がケガで離脱し、1番打者が定まらない中、青木が2番にいることで打線が機能する。走者がいなければ1番のように出塁を狙い、長打のある3~5番につなげる。一方で青木自身も場面によっては大きな当たりが打てる。ヤクルト打線が好調なのも「2番青木」による部分が大きい。

現在37歳。私が引退したのと同じ歳だ。守備面は分からないが、打つ方だけを見ていると、まだまだ衰えるような兆しは見えない。しっかりコンディションを維持すれば、少なくとも40歳まではできると思う。後継者として青木本人が認める選手が出てくるまで、1年でも長く活躍してほしい。(日刊スポーツ評論家)

巨人対ヤクルト 3回表ヤクルト無死、セーフティバントを決める青木(撮影・狩俣裕三)
巨人対ヤクルト 3回表ヤクルト無死、セーフティバントを決める青木(撮影・狩俣裕三)