阪神は非常に苦しくなってきました。中日3連戦2敗1分けという結果は連覇に向けて、黄信号が点滅したと言わざるを得ません。何よりの問題はチーム状態が底にあり、回復の兆しが見えないことです。連覇の可能性をたぐり寄せたいのであれば、ここから強引にでも救世主を作り出すしかない状況になったと言えるでしょう。

試合は4回に決着しました。ベンチは3点を失った先発大竹を諦め、4回2死一、二塁の打席で代打策を選択します。1点差に迫り、必勝のための刺激策も兼ねての一手だったのでしょうが、ロングリリーフも期待して2番手に起用した伊藤将がいきなり4失点ではゲームになりません。ベンチの策が裏目に出て、選手の体は思うように動かない。相当、深刻な状況でしょう。

連覇というのは本当に困難なものです。リーグ制覇から日本一へと駆け上がった昨季の見えない疲れと連覇への重圧が、厳しいチーム状態に陥った要因の1つとみています。143試合のペナントレースをトップでゴールし、ポストシーズンも勝ち切っての日本一の代償は、見えない疲れを選手の体に蓄積することです。

栄光に向けて高いテンションで戦い続けた体は、想像以上にダメージを受けています。もちろん選手も昨年以上に勝ちたい思いでプレーしていると思います。踏ん張りどころで力を出し切れず、ジレンマに陥っている選手も多いでしょう。

広島、巨人の上位2球団とのゲーム差を見れば、諦める数字ではありません。問題は選手自身がイメージに近い状態でプレーできていないこと。チームに活気を呼び戻すために、ここは救世主を強引にでも作りあげることです。抑え投手に実績のない若手を抜てきするのも一手でしょう。起爆剤が今こそ、求められています。(日刊スポーツ評論家)

中日対阪神 4回裏中日無死満塁、大野に左前適時打を打たれた伊藤将(右)(撮影・森本幸一)
中日対阪神 4回裏中日無死満塁、大野に左前適時打を打たれた伊藤将(右)(撮影・森本幸一)