裏方さんも“初選出”に笑顔だった。阪神の高田周平打撃投手(32)が、侍ジャパンでも裏方役として奮闘している。「まさかJAPANのユニホームを着れるなんて、思ってもなかった。普段通りに投げて、選手が活躍してくれて、いい思い出になれば」。

 高田打撃投手は09年育成ドラフト1位で阪神に入団。11年まで「123」番を背負って1軍の舞台を目指してきた。現在は打撃投手として、気持ちよく打たれることが仕事になった。

 この日、フリー打撃ではソフトバンク柳田やDeNA筒香を相手に投じ「フルスイングしても引っ張るんじゃなくて、センターから逆に低いライナーで打っていた」と超一流打者の技を、肌で感じていた。

 参加前、17年WBCで打撃投手を務めた橋本健太郎打撃投手から「筒香は、まず外角を打ってからフルスイングを始める」と聞いてきた。「緊張して初球を真ん中に投げてしまったら、本当にスイングしなかった」と驚きの表情。そこではっとして、冷静に投げられたという。華やかな舞台を整えるのが、スタッフの仕事。選手を気遣い、予習してきた高田打撃投手も“裏方の超一流”だった。【阪神担当 真柴健】