869本への第1歩で、新記録を打ち立てた。

 日本ハム清宮幸太郎内野手(18)が2回、オリックスのディクソンからプロ初アーチを放った。京セラドーム大阪の右翼3階席にライナーで飛び込む先制の130メートル弾。これでデビュー戦からの連続出場試合安打を「7」に伸ばし、ドラフト制後(66年以降入団)の新人では最長とした。

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 常に掲げてきた高い志が、怪物ルーキーを作り上げた。清宮は中1の頃から、練習では木製バットを使用していた。調布シニアで指導した安羅岡監督は、振り返る。「木でもライナーでネットを越える打球を打っていた」。東京・調布飛行場に隣接するグラウンドの右翼は95メートルで、これが本塁打ラインとされたが、その後方に張られた高さ20メートルのネットを越えていった。「開いた口がふさがらなかった。木製バットでのティー打撃だからね」。木製バットへの苦手意識は、プロ入り当初からまったく感じられなかった。

 炭酸飲料は飲まない。ジャンクフードの類は控える-。食生活でも、普通の中学生とは意識が違った。「将来の目的をしっかり持った子だった。目標に対して、ブレがない。こういうヤツが、プロに行くんだろうなと思っていた」。天才は、1日にしてならず。怪物もしかり、だ。【日本ハム担当=中島宙恵】