高卒2年目にして1軍で中継ぎとして経験を積み、3年目で先発転向を志願-。今年1年間はオリックスを担当していただけに、私の勝手な見解になるが、広島遠藤淳志投手(20)とオリックス山本由伸投手(21)の境遇が似ていると感じた。

山本は2年目の18年に先発から中継ぎに転向。セットアッパーを任され、54試合に登板。4勝2敗、1セーブ、防御率2・89でリーグ2位の36ホールドポイントを記録した。先発に転向した今季は8勝6敗で防御率1・95をマーク。最優秀防御率を獲得した。遠藤は2年目の今季中継ぎとして34試合に登板。1勝1敗、1セーブ、7ホールドポイントで、防御率3・16。シーズン終了後に先発転向を直訴した。

数字こそ差はあるものの、境遇が似ていることを遠藤に伝えると、「あそこまでいいボールは投げられないので…」と苦笑い。山本の印象については「いろんな変化球を使って、かわしどころがうまい。コントロールもそうですし、1球1球の変化球の精度、キレがすごいです」と話す。

接点はないが、普段から山本の独自の練習に注目しているという。やり投げやブリッジなどの体操の動画をスマホで見たという遠藤は「結構細かいことをやられている。細かく自分の体を理解してやっていると思う。どうしたら158キロが投げられるのかを聞きたいですね。僕と10キロくらい違うので」と語った。

志は高い。「山本さんは中継ぎから先発に転向してあれだけ活躍されて、ジャパンにも選ばれた。僕も目指しているところが一緒。ジャパンに選ばれたい。山本さん以上の結果を出せたらいいですね」。高い目標をさらりと言ってのける右腕が先発として来季どれだけの結果を残すのか、目が離せない。【広島担当 古財稜明】

オリックス山本由伸
オリックス山本由伸