見応えも、迫力も、重量感たっぷりだった。西武の宮崎・南郷での春季キャンプ。中村剛也、山川穂高、渡部健人の3内野手が、常に同じ組で打回り(フリー打撃)や守備練習を行っていた。同組の源田が細く見えるのも無理はない。体重100キロ超えの3人は、打っても守ってもスタンドから見ていて迫力十分。辻発彦監督も「ちょっとグラウンドがへこんでいたって冗談な話をしていましたけど」というほどだった。
巨漢打者の系譜は、もはや西武ならではの伝統。プロ21年目の中村がバット1本、ホームラン打者として道を切り開き、山川が続く。やはり“長兄”おかわり君の存在は大きく、練習中に山川が間を見つけては質問するシーンが多かった。決して長いやりとりではないが、中村はシンプルな言葉に意味を込めて答えているようだった。
そのロールモデル2人を手本に、磨きを掛けているのが、「よくばり君」こと渡部。今キャンプでは積極的に聞くというよりは、昨季1年目からの課題に取り組みながら実戦で結果を残そうともがいている。それでも悩んでいる姿をみれば、グラウンドを離れた夕食時に中村が「タイミングを早くした方がいい」と、さりげなく助言。翌々日、渡部に本塁打が生まれた。
もともと中村は「聞かれれば答えます。僕に答えられることなら」というスタンス。でも、何げない普段の練習から「俯瞰(ふかん)」して、変化を見ているからこそ、壁にぶつかる後輩を察知できる。絶妙のタイミングでひと言を添えられる。何よりも醸し出す柔和な空気感が、年の差を埋めている。通算450本塁打まで残り8本と迫るプロ21年目の中村が、大きな背中で引っ張る超重量打線誕生が、楽しみで仕方がない。【遊軍=栗田成芳】




