<ソフトバンク1-2日本ハム>◇29日◇みずほペイペイドーム
敗戦コメントは面白かった。
「王者ホークス、どうしたのかなあ。まあ、それでもチームバランスは順調にきているのじゃないかな」。
開幕5試合目から借金生活。福岡ドーム開場元年の人気に反比例して、戦績は振るわなかった。終わってみれば45勝80敗(5分け)の最下位。93年ダイエー(現ソフトバンク)のシーズン成績だ。小久保監督が入団する前年のこと。コメントの主は根本監督だった。
黒星を重ねても、悔しさは見せない。「勝てない」と割り切っていたはずだ。ファンには「今季は(日本シリーズを含めた)137試合を戦いたい」と言っていた。スタンドで声をからす鷹党には、ウソでも強気のコメントを発信した。腹の中にあったのは「どうやってチームを変えていくか」の思いだった。94年6月には世界の王を口説き、同10月に「王ホークス」が誕生。監督手腕はなかったと言っていい。「俺は勝てる監督じゃない」と根本さんは自認し、公言もしていた。
まだ「みどりの日」だった99年4月29日夜。夫人との夕食の最中、胸に痛みが走った。病院嫌いの根本さんだったが、夫人とタクシーで病院へ。「うっ」とうめいて車内の天井に頭をぶつけるほど、飛び上がった。約2時間の蘇生措置も実らず、日付が変わった30日、帰らぬ人となった。
この日、ホークスは日本ハムに逆転負けした。延長戦は今季7試合目で1勝4敗2分け。まだ25試合とはいえ、故障者続出のチームは苦しんでいる。
「王者ホークス、何かおかしいなあ」-。そんな根本さんの声が聞こえてきそうな敗戦だった。【ソフトバンク担当=佐竹英治】




