今オフ新たに右腕タイラー・グラスノー(30)がドジャースの先発ローテに加わった。203センチの長身から繰り出す最速101・4マイル(約163・2キロ)のフォーシームとスライダー、カーブを武器に空振りを奪う支配的な投球が持ち味。近年は故障が多かったが、昨年5月に復帰して以降は本来の姿を取り戻し、自身初の2桁勝利を挙げた。今季は山本由伸らとともに先発陣の柱としてフル回転が期待される。

3日、「ドジャー・フェスト」に参加し笑顔を見せるグラスノー
3日、「ドジャー・フェスト」に参加し笑顔を見せるグラスノー

ロサンゼルス近郊出身のグラスノーはドジャースファンとして育ち、特にカーショーがお気に入りだった。ドジャースタジアムにも頻繁に通ったが、交通渋滞を避けるため2回に到着し、7回には球場を後にしていたという。高校は元DeNAのバウアーら多数のアスリートを輩出した地元のウィリアム・S・ハート高を卒業。当初は大学に進学予定だったが、11年のドラフトでパイレーツから5巡目指名を受け契約した。16年にデビューし、18年は救援に回るも7月に移籍したレイズでは再び先発として起用された。

グラスノーの年度別メジャー成績
グラスノーの年度別メジャー成績

19年はレイズの開幕ローテ入りを果たし、4月の月間最優秀投手に選出。右腕を痛め長期離脱があったものの、12試合で6勝1敗、防御率1・78と好成績を残した。20年は5勝を挙げポストシーズン進出に貢献。ワールドシリーズではドジャース相手に第1戦と第5戦に先発したが、いずれも憧れのカーショーと投げ合い黒星を喫した。

21年8月にトミー・ジョン手術を受け、22年9月に復帰。昨季は左脇腹のケガで出遅れたが、7月には6試合で3勝2敗、防御率2・11を記録して4年ぶりの月間最優秀投手を受賞した。

グラスノーの23年投球内容
グラスノーの23年投球内容

そして昨年12月、ドジャースへのトレード移籍が決まった。5年総額1億3650万ドル(約205億円)の契約延長にも合意。移籍時には「僕がずっと来たかった場所。故郷に戻ってこられたんだ。最高のシナリオだよ」と喜びを口にした。また、直前に加入した大谷翔平のビデオメッセージを受け取ったことも明かした。「素晴らしかった。僕にチームに来てほしい、そして僕のためにホームランを打ち、来年は先発ローテに加わりたいと言ってくれた」。大谷との対戦成績は通算2試合で計6打数2安打。21年5月の初対戦では二塁打と本塁打を浴びた。「彼がこれまで学んだことを知りたい。とてもクールで、おそらく史上最高の野球選手の1人。彼と一緒にグラウンドに立ちたい」と、今季は同じチームでワールドシリーズ制覇を目指す。【山下翔悟】

◆タイラー・グラスノー 1993年8月23日、米カリフォルニア州生まれ。11年ドラフト5巡目(全体152位)でパイレーツ入団。16年7月7日のカージナルス戦でデビュー。18年7月にトレードでレイズ移籍。21年8月にトミー・ジョン手術を受け、22年9月に復帰。昨年12月にドジャースへ移り、5年契約に合意した。203センチ、102キロ。右投げ左打ち。今季年俸1500万ドル(約22億5000万円)。