今年新設されたばかりの京都工学院は、1年生だけで8回3得点で逆転勝利。公式戦初陣を劇的勝利で飾った。

 4月に開設された京都工学院が1年生だけで公式戦に初出場し初勝利。朱雀を下して、真っ白な高校の歴史に大きな1ページを加えた。

 6回までに4失点と劣勢も「自分たちが原点になると言い合っていた。自分たちで歴史を築いていこうという意識がチームにあった」(山下雅也主将)。2-4で迎えた8回。1死一、二塁から敵失で1点を返すと7番中沢樹人(みきと)中堅手の2点左前適時打で逆転。そのまま5-4で逃げ切った。試合後の校歌斉唱では「まだ校歌を覚えていなくて歌えなかった選手もいた」と山下主将は照れた。

 4月下旬から練習を始め、練習試合は16連敗中。部員は未経験者1人と中学で軟式野球をしていた9人の計10人。選手が交代で三塁コーチを務めた。池川真一監督(43)は「練習試合では勝てると判断できる材料がなかったが、選手たちは諦めず全員でよく勝ってくれた。1年だからという言い訳を誰も口にしなかった」と選手をたたえた。

 11日には合併の前身となる伏見工と洛陽工が対戦し洛陽工が勝利していた。1年生だけの「ルーキー」だが、勝負の夏に大きな勲章を手にした。【中島万季】

 ◆京都工学院 洛陽工と伏見工を統合し2016年4月に創立した市立校。プロジェクト工学科(工業科)とフロンティア理数科(進学型専門学科)。洛陽工と伏見工は現2年生が卒業すると閉校。今夏は2年生以上でそれぞれ大会参加し1年生だけの京都工学院も別で練習。3チームそれぞれで大会参加していた。初戦で伏見工と洛陽工が対戦して洛陽工が勝利。洛陽工と伏見工は来年3年生だけで夏に挑む。所在地は京都市伏見区深草西出山23。砂田浩彰校長。