今春選抜に出場した慶応が、大会初戦を7回コールドで勝ち上がった。

 公式戦初めて4番スタメンの広瀬隆太内野手(2年)が、2点リードの3回無死一、二塁から、3ランを放った。初球のインハイ直球。バントの構えからヒッティングに切り替え、体ごと回転して振り抜いた。打球はライナーで左翼ポール際に突き刺さった。広瀬は「バスターなんですけど、強く振ることは変わらないので、強く振りました」と、4番初安打を振り返った。

 3月28日、センバツの彦根東戦では、9回2死から代打で三振。広瀬は「自分のバッティングが通用しなかったのが悔しかった」と帰京後、打撃練習に励んだ。その姿に森林貴彦監督(44)は、打線改造を決断。「下級生なんですけど、冬の間、打撃が良くなってきて、自分のスイングが出来ている。空振りやファウルもあるが、相手の脅威になるスイング。彼がうってつけだと。刺激が欲しいというか、組み替えをしたかったので、彼を4番に据えると、この1週間くらいで決めました。彼が入ることでレギュラー争いが活性化して、みんなのレベルが上がるといい」と4番・広瀬の狙いを説明する。

 小学校は慶応幼稚舎で、中学から慶応普通部。森林監督によれば、幼稚舎出身の4番は珍しいという。100回大会へ臨む夏、伝統校の中心は、生粋の慶応ボーイが務める可能性も十分ある。