花咲徳栄が4年連続6度目の甲子園切符をつかんだ。

 試合は上尾が先制。初回先頭が安打で出塁すると、犠打で1死二塁。3番日野吉彬外野手(3年)が花咲徳栄の好投手、野村佑希(3年)から右前に適時打を放った。

 追いかける花咲徳栄は3回に杉本直希外野手(3年)の三塁線突破の二塁打でチャンスをつかみ、次打者に高校通算56号の野村を迎えた。その初球をたたいた打球は左翼ポール際へ。「57号か?」と思われたが、わずかにポールの左。打ち直した野村の打球は右飛。三塁走者がタッチアップできず、嫌なムードが漂った。

 ここで、5番の羽佐田光希内野手(2年)が右中間に同点の適時二塁打を放った。岩井隆監督(48)が「羽佐田が伸びたから野村に4番と投手をやらせられる」と全幅の信頼を置かれている2年生。指揮官の期待に応える快打だった。

 野村は2回以降、上尾打線を抑えた。味方打線は4回に相手の失策からチャンスを得て、2死二塁から橋本吏功(りく)外野手(2年)の右中間への勝ち越し二塁打、さらに杉本も左前打して2点を奪った。7回には、野村が適時打を放ち、リードを広げた。昨年の甲子園Vの経験と勝負勘は今年のチームにも引き継がれていた。