第100回全国高校野球大会(8月5日開幕、甲子園)に出場する北北海道代表の旭川大高は24日、甲子園メンバー18人を発表した。北大会から選手の入れ替えはなし。地区予選初戦で右くるぶしを骨折した背番号8、佐々木涼太中堅手(3年)もそのままベンチ入りした。北大会の出場は代打の1打席のみだったが、右足の状態が回復する甲子園での活躍を誓った。

 仲間と再び戦える-。旭川大高は同校での優勝報告会、旭川市役所の表敬訪問とイベントラッシュのこの日、甲子園メンバーを発表した。北大会に続き、佐々木涼が名を連ねた。「みんなが頑張ったので次は自分が結果で恩返ししたい。監督の男気にも応えたい」。絶望から希望に変わった激動の1カ月間を思うと、目頭に込み上げるものがあった。

 長打力が持ち味で、今春まで5、6番に座り、主力として活躍した。本塁打は通算4本、公式戦でチーム2位タイの2本をマーク。端場雅治監督(49)から「打撃でも守備でもうちの中心選手」と信頼されている。満を持して臨んだ今夏の地区予選。初戦(対留萌、6月29日)だった。6回攻撃中の走塁で二塁ベースを踏んだ際に右くるぶしを骨折した。その瞬間「あ、終わった」と覚悟した。

 端場監督と話し合い、手術での早期治癒にかけた。7月6日にメスを入れ、全治3カ月から1カ月に。北大会に向け、同監督から「ケガしてでもお前を出す。早く復帰しろ」と声をかけられた。公式練習で松葉づえをつきながらグラウンドに立ち、仲間を鼓舞した。試合中は声をからしてベンチを盛り上げた。

 北大会の出場は準決勝旭川実戦の1打席のみ。同点の7回、代打に起用され、左邪飛に倒れた。「足を気にしないで自分のスイングを心がけた」。今後は右足の状態を見てダッシュから再開。甲子園までに何としても間に合わせるつもりだ。端場監督と仲間がくれたチャンスに「感謝しかない。初球から思い切りの良いスイングを見せたい」。夏をあきらめなかった男が、聖地でうっぷんを晴らす。【西塚祐司】