第100回全国高校野球大会(8月5日開幕、甲子園)に出場する南北海道代表の北照が25日、甲子園メンバー18人を発表した。春の地区予選後、ベンチ外になっていた三和(みわ)立峰(りゅうほう)外野手(3年)がメンバーに復帰した。外野3ポジションと捕手を兼務でき、打撃は通算3本塁打、さらに50メートル6秒3の俊足を兼備。ベンチ外だった南大会では分析役も担った、走攻守プラス観察眼を備えた万能18番が、夏1勝を呼び込む。

 ぎりぎりで滑り込んだ。甲子園メンバーに入った三和は「争って外れた選手がいる。その人のことも考え、その分まで必死で頑張らないといけない。気を引き締めて臨む」と決意を口にした。

 前日24日、上林弘樹監督(39)は、南大会決勝の先発9人を除いた控えメンバーと、ベンチ外だった選手で紅白戦を実施し、競わせた。聖地をかけた最後の“復活戦”で、三和は3打席目に左翼線適時二塁打を放った。本来、遠投100メートルの強肩を生かした守備力が武器で、同監督は「外野全部と捕手もできる。守れるし足もある。ここにきて打つ方も良くなってきた」と打撃の復調ぶりを、抜てき理由に挙げた。

 献身的な姿勢も、甲子園切符を引き寄せた。今春の地区予選まで背番号15をつけベンチ入りも、全道大会前に体調を崩し、春全道からメンバー外になった。夏も引き続き外れたが「監督には、甲子園に行ったら入れ替えがあると言われてきた。何とかサポートして、みんなを勝たせて復帰したかった」。南大会期間中は、自分で分析した情報をもとに、個々の守備位置などを、スタンドからアドバイス。グラウンド外での積極的な取り組みも、監督の心を動かした。

 あきらめかけた舞台に立つことができる。弘前南中3年時、甲子園で関東第一のオコエ瑠偉(現楽天)を見て、キャッチボールの球威に度肝を抜かれた。「あれぐらいの球が投げられるように練習してきた。自分も甲子園で、肩の強さを披露できたら」と聖地でのプレーを思い描いた。

 「立峰」の名前は、より高いところに立てる男になるように…との思いで名付けられた。崖っぷちからよみがえった18番。出られない仲間の思いも胸に、全力でチームを支え、甲子園の頂へと、けん引する。【永野高輔】