初戦突破の陰には「オレ流打撃フォーム」の浸透があった。高岡商(富山)が終盤の猛打で2回戦進出を決めた。富山県勢は全国で唯一、夏の大会は8強止まり。4強入りを目指し、県全体で打撃力を上げる取り組みで、今年3月、現役時代に3度の3冠王に輝いた落合博満氏を招き講演を開催。講演では具体的な技術論が展開された。高岡商の吉田真監督(35)は「打席の中で腕や肘の力を抜いて脱力した上で鋭くスイングする。井林と田嶋がはまった」。

 井林は5回2死から、真ん中低め直球を振り抜き、バックスクリーン左への先制弾を放った。「真っすぐに遅れないように、タイミングを早くした。インサイドアウトの方が力が伝わるので」。冬場の約3カ月間でチーム全員6万本スイングを敢行。中でも井林はチームトップの7万本を振り抜いたという。レジェンドの打撃フォームを取り入れた富山の代表として4強入りへ突っ走る。【古財稜明】