木更津総合(東千葉)のエースで4番の野尻幸輝投手(3年)が、7回2/3を投げ7安打1失点で2年ぶりの夏勝利に導いた。

 強打の敦賀気比打線に対し、テンポよく打たせて取る投球で4回まで無安打に抑えた。6回に1点を失い、8回途中から根本太一投手(2年)に託したが、「緩急をつけて、コースを突いて、芯を外して投げることができた」と納得の表情だった。

 チーム事情から昨年秋の大会終了後に野手兼投手となった。東千葉大会には背番号5で出場し、決勝で完投勝利。今大会はエース番号を背負って臨んでいる。「気持ちを強く持って投げられました。自信がつきました」と、大舞台での好投に胸を張った。

 くしくも昨年のこの日は、甲子園の初戦で日本航空石川に5-6で敗れた日。最後の打者だった東智弥外野手(3年)は6回一死満塁から走者一掃となる左越え適時打を放ち、勝利に貢献。「去年がよみがえりました。今までお世話になった人の分だけ打球が伸びたと思います」と笑顔を見せた。

 この勝利で、五島卓道監督(64)は甲子園通算10勝目。野尻は「昨年の先輩たちに、監督に10勝目をプレゼントしてくれ、と託されていた。達成できてうれしいです」と安堵(あんど)の表情。昨年の悔しさを晴らし、木更津総合が好発進した。