済美(愛媛)の1番矢野功一郎内野手(3年)が2点を追うタイブレークの延長13回裏無死満塁、右翼ポール直撃の劇的アーチを放った。逆転サヨナラ満塁本塁打は大会史上初。8回にも9番政吉完哉外野手(3年)の逆転3ランを含む8得点で6点差をひっくり返していた。星稜との壮絶な死闘を制し、2年連続で3回戦に進んだ。

 明徳義塾の馬淵史郎監督(62)は、済美の勝利に感慨深げだった。「星稜が相手というのは抜きにして、感無量。教え子が勝つのも悪くないな」。練習の合間にテレビをつけると星稜が大差をつけていた。「そろそろ終わりかな」と再びスイッチを入れると、9-7で逆転していて「そこからずっと見ていた」。済美は、よきライバルで親友だった上甲監督が土台を作った。劇的なサヨナラ勝ちに「ああいうことができるんやな」とため息をついた。