静岡商が、ライバルの静岡を撃破した。公式戦では9年ぶりに静岡から勝利し、連敗を9で止めた。新チームの初戦から伝統校対決が実現し、10-6。打線が計14安打で得点を重ね、4人の継投でリードを守り切った。

 9回表2死一、二塁。静岡商の高田琢登(1年)は、静岡の2番樋口裕紀内野手(2年)を三ゴロに仕留めると、満面の笑みで対馬勇斗捕手(1年)のもとへ駆け寄った。静岡から9年ぶりの勝利。スタンドの静岡商ファンから歓声がわき、静岡ファンからもねぎらいの拍手が送られた。

 静岡商打線は、静岡左腕、斉藤颯斗(2年)を立ち上がりから捉えた。先発9人中8人が左打者だが、シート打撃で勝間田康(2年)、杉本蓮(2年)、高田ら左腕と対していたことが功を奏した。初回に4番勝間田の適時打など5安打で4点。1点差にされた5回に3点、6、7回も得点を重ねて静岡の3投手を打ち崩した。

 投手陣は、先発の杉本、2番手の長辺大輝(2年)が静岡打線につかまり、4回2死から登板したエース勝間田も3回1/3を8四死球3失点と苦しんだ。静岡OBで静岡の強さを知る高田晋松監督(48)にとっては、勝間田ではなく、好調の杉本を先発させたことも、1つの作戦だったが、簡単には勝たせてくれない。それでも、5点をリード。8回から4番手で起用した長男の琢登には「自分の投球をしてこい」と声をかけた。意気に感じた高田は、9回に自己最速140キロを3度マークし、静岡の反撃を1点に食い止めた。早実、東海大相模などの強豪校の誘いを断っての入学。早速、親孝行を果たした。「抑えられて良かったです」。

 静岡からの公式戦勝利は、09年秋季中部地区大会3回戦以来10戦ぶりだ。16年4月に就任後、静岡に初勝利の高田監督は言った。「選手たちはこれで自信がついたと思うので、勢いをつけていきたい」。勝間田も「この勢いでセンバツ出場を目指します」と宣言した。【河合萌彦】