沖学園(南福岡)の「二刀流」が力の投球で春の覇者大阪桐蔭を苦しめた。3番・投手で今大会初出場の石橋幹投手(3年)が、最速143キロをマークして3回まで無安打投球。4回2失点で降板したものの、納得の表情を浮かべた。「甲子園で大阪桐蔭と戦えた。恐怖感はあったけど、いい試合ができて悔いはないです」。

 出場56校の初戦をみると投手の4番は4人だけ。クリーンアップに広げても6人しかいない。第1回大会(参加10校)の投手は、2番2人、3番2人、4番4人、5番1人、9番1人。二刀流が当たり前だった。第93回大会の花巻東・大谷翔平(エンゼルス)は帝京戦に3番右翼で先発し、1安打2打点。途中登板では5回2/3を6安打3失点。150キロをマークした。

 3番打者石橋は、2打数無安打で終わった。「根尾君の球が速すぎた。あっという間に終わりました。でも最高の舞台を楽しめた。打つのも好きだし、野球は続けたい」。試合後は、同じ二刀流の根尾に駆け寄り「ナイスピッチング」と声をかけた。【米谷輝昭】