まさかの初戦黒星となった掛川西が敗者復活戦で掛川工を破り、新チームの公式戦初勝利を挙げた。16安打16得点の猛攻で相手を圧倒。4打数4安打5打点の活躍の4番石川優星外野手(2年)は、チームの中心として、打線だけでなく、チーム全体を引っ張っていく考えを示した。
勝利が決まり、整列のためナインが集まる。石川優も表情を大きく変えることなく、新チーム初勝利の喜びよりも、4番としての責任を果たした安堵(あんど)感をにじませながら整列へと向かった。
1回1死一、二塁で中堅の頭上を越える2点二塁打を放った。貴重な先制点をチームにもたらすと、5回の第4打席では、1死満塁の好機で左中間フェンス直撃の2点二塁打を放った。
試合前日から打てる予感がしていた。「練習で調子が良かったので、いけるんじゃないかと思いました」。打席では相手投手のことより、「打席での集中力を上げるため」に自分の間合いを大切にした。効果は表れ、肩の力が抜けた鋭いスイングで、強い打球を連発した。石川優のこの姿勢に大石卓哉監督(38)も「積極的な打撃ができていた」と評価した。
磐田東との初戦で、石川優は4打数1安打1打点に終わった。「緊張していて、自分のスイングができなかった」と2三振を喫した。試合に敗れると、2年生全員でミーティングを開き、1人1人の意識を変えていこうと誓った。互いに声を掛け合い、士気を高めていく。うまくいかないことも、チーム内で助け合う。そういった意識からチームの結束力を高めることを目指した。
掛川西の4番を打つ責任を誰よりも感じている石川優は、今夏ともに4強を経験した飛弾野慎之介主将(2年)とチームを引っ張っていく決意を固めている。「先輩たちからタスキを預かったと思っているので、自分たちのやるべきことをやって、後輩たちへつないでいきたい」。出足でつまずいたが、大勝でリスタートを切った。「これで舞い上がらず、4番としての仕事をまっとうしたい」と話す主砲が、苦しむ名門を県大会へ導く。【河合萌彦】

