<高校野球兵庫大会:芦屋10-3三木>◇2回戦◇15日◇ベイコム野球場

全員野球で闘病中の監督へ勝利を届けた。芦屋(兵庫)は3回に1点を追加され、3点のリードを許した。その裏、3番上野優斗外野手(2年)が反撃ののろしを上げる。「今年は1年キャプテンとがんばってきたので、キャプテンを勝たせるために、ストレートを張っていた」。左翼へソロ本塁打。5回に逆転に成功すると、8回にはエースで主将の阪本偲(3年)が右翼に2点三塁打を放つなど4得点でコールド勝ちを決めた。

木村和人監督(48)が「天疱瘡(てんぽうそう)」という皮膚がただれる難病で今春に入院。ナインは監督不在で、練習することになった。木村監督の教えのもと、自分で考え、自分で行動。阪本を中心に、試合が近づくにつれ、必要なことを考えた。内外野の連係。ランナーが出た際にどれだけ焦らずにプレーできるか。全員野球の成果が出た。

夏初戦となったこの日の朝。試合前に野球部で作ったLINEのグループに、木村監督から激励のメッセージが届いた。「すごい練習を頑張ってきた。見てきたやつが一番知ってる。自信もって楽しんでこい」。病と闘う指揮官のため全員でつかんだ1勝。阪本は「成長した姿を見せたいと思って、プレーした。成長しました、という報告をしたい」と1日も長い夏にする。【佐藤妙月】