仙台育英(宮城)の渡辺旭内野手(3年)が、東都大学リーグの名門・駒大へ進学する。

「甘くないとは思うけど、1年春からリーグ戦出場を目指したい。そのためにも、体づくりと技術の両立で準備しています」と気持ちを引き締めた。仙台育英では1年春からベンチ入り。昨春センバツでは8強入りメンバー。器用さを持ち合わせた巧打と堅守が光る、東北屈指の好選手だ。

再起を期す。高校最後の夏。グラウンドに渡辺の姿はなかった。夏の宮城大会直前に行われた練習試合で右足の腓骨(ひこつ)を骨折。飛球を追いかけた際にフェンスに激突。全治3カ月の診断を受けた。「現実なのか分からなかったし、信じたくなかった。悔しさよりも、何も考えることができなかった」。それでも、かすかな望みを信じた。甲子園での復帰を目指し、懸命なリハビリを続けたが、チームはまさかの4回戦敗退。不完全燃焼のまま、渡辺の高校野球は幕を閉じた。「野球は甘くないと痛感しましたし、野球の難しさを最後に知ることができた。大学では、試合に勝てる選手を目指してやっていきたい」と前を向き、今後の野球人生への糧とした。

強い覚悟を持ち、新たな舞台に飛び込む。高校では内野と外野を兼任していたが、大学では二遊間で勝負する決意を固めた。「これから上の世界でやっていくには、自分は内野一本でやっていきたい。チームの苦しいところに手が届き、相手が嫌がる選手になりたい」。体格は168センチと小柄。豪快な一振りよりも、しぶとく四球を選んだり、内野の間を抜く打撃など、チームに欠かせない役割を担っていくつもりだ。

色紙には「目標がその日その日を支配する」としたためた。最終的な目標には「社会人、プロを目指してやっていきたい」と言葉に力を込めた。【佐藤究】

◆渡辺旭(わたなべ・あさひ)2003年(平15)4月22日生まれ、福島・いわき市出身。小1からマツザキガーデンジュニアで野球を始め、小6時には楽天ジュニアに選出。中学時代はいわきボーイズでプレー。仙台育英では1年春にベンチ入り。168センチ、70キロ。右投げ左打ち。憧れの選手は西武源田壮亮。