帝京長岡は8-1で新井に7回コールド勝ち。プロ注目の本格派右腕・茨木秀俊投手(3年)は6安打1失点、6奪三振に抑えた。

表情を変えることなく帝京長岡・茨木秀は7回を投げ切った。「球が浮いてしまった」と6安打1失点の内容に満足感はない。4回は単打3本を許して1点を失った。ただ、「走者を出した後は、低めに投げられた」と手応えもあった。「走者を出したら、次は打たせて取る」と気持ちを切り替えて最少失点で切り抜けた。最速145キロの直球とスライダーを武器に、6三振を奪い要所を締めた。

大会の初戦に先発するのは今回が初めて。1年夏の県独自大会から今春の県大会まで先発での大会初登板はすべてチームの2、3戦目だった。最後の夏。「気合を入れた」と芝草宇宙監督(52)に初戦先発を志願した。「全試合投げるつもりで夏に合わせてきた。気持ちが表れていた」と指揮官も意気込みを買った。

この日はネット裏にセ・パ複数球団のスカウトが陣取った。ベストな状態ではなかったが「自分が崩れてはだめ」とエースの自覚をみせた。「チームとして初の甲子園に出るために、次も絶対に勝つ」。剛腕が勢いを増す。【斎藤慎一郎】