<高校野球宮崎大会:宮崎商4-3富島>◇26日◇決勝◇ひなたサンマリンスタジアム宮崎

高橋は一つ深呼吸し、左打席へ向かった。「後ろにつなぐことしか考えていなかった」。

1点を追う9回2死二塁。一打同点の場面だった。ベンチ、スタンドの声援を一身に受け、握るバットに重圧もかかった。「自分が打たないと負ける」。カウント1ボールからの2球目。積極的にスイングしたが、チェンジアップでタイミングを外された。投ゴロで最後の打者になり、天を仰いだ。「何が何でも打ちたかった。でも、思い切って振った結果なので」。涙はなく、やり切った表情を浮かべた。

2人の兄の背中を追いかけた。信人さんと正道さん。ともに同校野球部で夏の甲子園に出場した。「兄と同じように、自分も甲子園に行きたかったんですけど…」。同じ道を歩んだが、夢舞台にはあと1歩届かなかった。それでも「悔いはないです」と胸を張った。今後は野球に一区切りをつけ、家業を継ぐために自動車整備士を志す。【佐藤究】

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