<高校野球山形大会>◇25日◇準々決勝

 第3シード鶴岡東が4-3で前年優勝の酒田南を振り切り、ベスト4入りした。

 鶴岡東が昨夏2回戦で敗れた酒田南に雪辱した。3回表、この回先頭の7番神田浩行(2年)の左中間二塁打を足がかりに、続く左腕エース渡辺貴洋の投前犠打、9番早坂光捕手(ともに3年)の一塁線犠打が連続野選になって先制。さらに併殺打の間に1点を追加し、主導権を握った。7回に追いつかれたが、9回表1死一、三塁から神田浩の遊ゴロが失策を誘うミラクル勝利。最後の右飛を捕った保科健太郎主将(3年)は「手が震えました。入学してから(酒田南に)勝っていなかったので借りを返せた」と笑顔で話した。

 今春の東北大会初戦では八戸工大一(青森)に1-6で完敗。大会後、選手たちは3者連続安打が出るまで練習し続けるなど、「点を取れる時に、どんな形でも泥臭く点を取る」を合言葉にして決定力不足を補ってきた。

 エース渡辺も我慢強さを発揮して11安打3失点完投。3回戦で先制ランニング本塁打を放った双子の弟・神田浩が、この日もラッキーボーイぶりを発揮するなど、チームは上昇機運だ。過去2回の優勝(78、81年)は鶴商学園時代。保科主将は「自分たちの野球をすれば絶対に勝てる」と29年ぶり、校名変更後初の甲子園出場に闘志を燃やした。【佐々木雄高】