東大の左腕エース、宮台康平投手(3年=湘南)が立大を5安打完封し今季初勝利を飾った。自身初の完投勝利で通算2勝目。東大としては05年秋、松岡勇佑が早大戦で達成して以来の完封勝ちで、08年秋以来のシーズン2勝目となった。4-0で立大を下し、今日連勝で14年ぶりの勝ち点を狙う。
悲運のエースが、やっと救われた。9回裏。ラストバッターを遊飛に仕留めると、宮台はゼロの並ぶ電光掲示板に向かって、ガッツポーズをした。今季5試合目で初勝利。しかも自身初の完封だ。「報われました。完封を目標にしていたので率直にうれしい。出し切った感がだいぶあります」。141球を投げ、チームに今季2勝目をもたらした喜びを隠さなかった。
最後までスタミナは衰えなかった。「今日は腕が振れていました」と、初回に最速タイの145キロを出し終盤にも140キロ台を頻出した。体の開きが早くならないよう、マウンドで何度もフォームを確認。3番から始まる6回は、4番笠松、5番田中和を高め直球で空振り三振に仕留めて3者連続三振。「あそこはもう1度ギアを入れ直しました」とニヤリ。9回で8三振を奪った。
宮台はこの春2度、0-1でのサヨナラ負けを経験した。打たれた自分を責めたが、「ちょっときつかった」と本音も漏らした。東大の寮生は月に1回、トイレや風呂掃除の当番があり、寮日誌を書く。今週当番が回ってきたエースは冗談交じりにこう書いた。「もっと点を取ってくれ-」。そこに赤線を引っ張り、「申し訳ございません」と書いた田口耕蔵内野手(3年=西大和学園)が先制の犠飛を放ち守備でも援護した。チームは9安打4点を取り、宮台も3安打1打点で自らをもり立てた。
今日連勝すれば02年秋、立大戦以来の勝ち点となる。もちろん、エースは中1日で3回戦での登板も視野に入れる。「勝ち点を取れば最下位脱出の可能性もある。そこを目標に体を戻して、100%の力を出せるよう準備します」。赤門軍団を引っ張る宮台に不可能はない。【和田美保】
◆東大・浜田一志監督(投打がかみ合いシーズン2勝目)「監督になってから1番のナイスゲーム。しっかり守れたことが大きい」
◆日本ハム遠藤GM補佐(東大の後輩・宮台を視察し)「珍しい左のパワーピッチャー。真っすぐで空振りを取れる投手は少ないです。自分で打つのがまたすごい。僕の現役時代でも、こんな快勝はなかったように思います」
◆宮台康平(みやだい・こうへい)1995年(平7)7月1日、横浜市生まれ。小3で野球を始め戸塚中では軟式に所属。湘南(神奈川)では1年秋からベンチ入りし、3年夏に「背番号1」。東大では1年秋に初登板し、2年秋に法大1回戦でリーグ戦初勝利を挙げた。家族は両親、弟2人。178センチ、82キロ。左投げ左打ち。
◆東大投手のリーグ戦完封 宮台の湘南の先輩にあたる西山明彦が70年代に大学最多記録の通算4完封。NHKキャスターとして親しまれた大越健介も80年代に4完封した。東大出身プロ第1号となった新治伸治は60年代に3完封。国立高時代に甲子園出場で話題になった市川武史も80年代に3完封をマークしている。
<今季の東大野球>
◆9人野球 東大の9人野球は11年秋の開幕、慶大戦以来5年ぶり。このときは2-5で敗れた。
◆4点差勝利 今季の明大戦は3-2のサヨナラ勝ち。昨秋の宮台初勝利(法大戦)は5-2の3点差。4点差勝利は、01年秋の立大戦、6-2勝利以来。
◆1試合4打点 今月1日の慶大戦は4-9で敗れたが、打点は2だけ。1試合4打点は昨秋の法大戦以来15試合ぶり。



