関大(関西学生)が大市大(近畿学生)を破り、2年連続6度目の明治神宮大会出場を決めた。秋季リーグ戦で完全試合を成し遂げた、来秋のドラフト候補山本隆広投手(3年=桜宮)が9回4安打無失点。4回以降はわずか1安打の好投で、神宮切符をたぐりよせた。

 10月1日の近大戦で完全試合をしたのも、この日と同じ南港中央球場。ベンチも同じ三塁側で「今日は何か縁あるんかな」と感じていた。立ち上がりが課題の山本は、試合前にいつもブルペンで、試合のように打者2人に投げ込むのがルーティン。この日はいつもより多い打者4人に、大市大打線を想定して約40球を投げ込んだ。早瀬万豊監督(59)は「中盤から(自分の)ペースに入って、いい投球をしてくれました」とたたえた。

 第1代表をかけた前日10月31日の大商大戦では、エース阪本大樹投手(4年=履正社)が7回7安打3失点で敗れた。山本は、試合後に口数の少なかった先輩の悔しさを感じ取っていた。夜にLINEで阪本から「明日は頼んだ」とメッセージを受け取り「阪本さんがリーグ戦は引っ張ってくれたので、次は自分がと思っていた」と恩返しを果たした。「阪本さんと僕で0に抑えれば負けないので、うまく2人で0に抑えていきたいと思います」。頼もしい2本の柱が、今度は神宮の舞台で躍動する。