パ・リーグ覇者の西武が、日体大・松本航投手(4年=明石商)の一本釣りに成功した。他球団が高校生野手の名前を挙げる中で、12球団唯一となる単独での1位指名。侍ジャパン大学代表でもエースを務めた最速155キロ右腕は、即戦力として「新人王」を目標に掲げた。

頼もしい即戦力投手が、獅子の仲間入りを果たす。松本は「L」の刺しゅうが入った帽子と、チームのマスコット・レオの人形を手にすると笑みを見せた。「目標は大きく、新人王です」と力強く宣言した。

ドラフト会議のパブリックビューイング会場となったのは横浜市内の同大健志台キャンパスにある学生食堂「グレート ライオン」。入り口には獅子が鎮座していた。野球部員約150人に加え、一般の学生や地域の人など約400人と歓喜の瞬間を分かち合った。西武の担当スカウトは、久米島でのキャンプや、最優秀投手を獲得した今夏の米大学選手権、ハーレム国際大会にも視察に訪れていた。松本は「指名していただいてうれしい。リーグ優勝されて、すばらしい選手がいるチーム。自分も負けないようにしたい」と感謝した。

甲子園出場はないが、日体大では1年春からリーグ戦に登板。大きなケガもなく「スタミナとかは、負けないかなと思います」と控えめにアピールした。4年秋には、首都大学リーグで東海大・菅野(巨人)以来の「30勝&300奪三振」を達成。実績は十分だ。3年時の侍ジャパン大学代表でともに戦った昨年の西武ドラフト1位斉藤大からは「がんばれ」とメッセージが届いた。即戦力投手として期待されており「西武の投手は、松坂大輔さんのイメージ。松坂さんは、1年目からすごい球を投げられていた。同じように1年目から活躍できるように頑張りたい」。大きな目標へ、若獅子が駆け上がる。【保坂恭子】