ロッテのスンスケ(26=本名・下山祐躍)が、防御率(0・00)打率(4割6分5厘)とパ・リーグ投打2冠に立った。

JOY戦士の操作する日本ハムを相手に、6回1死まで完全投球。代打清宮に二塁打を許したが、二木を操り1安打完封した。リーグ初の快挙は逃したが「パーフェクトは意識していなかった。打たれたな、ぐらい。完封が目標だったので、動揺することはなかった」と淡々。むしろ、2試合連続完封に手応えをつかんだ様子だった。

打撃でも13安打を放つなど、本塁打こそないが、確実に相手の投球をはじき返した。「投球は相手の間をちゃんと見ている。JOY戦士さんも傾向が強かった。打撃は得意ではないが、方向を狙っています」と強振を使わず、ミート打法で安打を量産する極意を明かした。

ロッテの地元千葉県出身で、大ファンだ。初めてプロ野球を観戦した中学時代、渡辺俊介の投球に心を奪われた。登録名の「スンスケ」は当時、インターネットで渡辺のことを指した愛称から付け、背番号もあやかった。

これまでオンライン対戦を含め約3000試合を経験しているが、そのうち約2950試合はロッテを使用してきた。だからこそ、ロッテの選手として上位進出を狙っている。「味方の精神的支柱になりたい。負けても俺がいると」。強い気持ちで臨んでいる。

先月31日、第1子の女児が生まれた。聞いていた出産予定日は、開幕戦が行われた11月10日だったという。「背番号と同じ31ですから。いきなり親孝行ですよね」と目尻を下げる。新米パパは、初のプロリーグで投打に輝いている。【斎藤直樹】